早期接触・奥歯の噛み合わせに次いで、左右への動きのガイドを正しく与える必要があります。これを側方誘導と言います。
もう少し分かりやすく説明したいと思います。
まず、口を閉じた状態で、顎を左右どちらかにゆっくり動かしてみてください。すると、正常なかみ合わせの場合には、「犬歯」と呼ばれる前から3番目の歯にあたり、他の歯がすべて開いてくると思います。
食べ物を噛み切るとき、顎は前後左右に動きます。このとき、犬歯だけが噛み合って、そこに力がかかりスムーズに噛み切れるようになっています。このように、犬歯には力がかかりやすいため、他の歯よりも「根っこが長く」なっています。
こうした顎の動きを「犬歯が顎の動きをガイドする」という表現をします。では、もし噛み合わせが悪く、「犬歯」がガイドの役目を果たしていないとどうなるのでしょうか?
犬歯がその役目を果たせていない場合、当然、他の歯がその役割を果たすことになります。つまり、食べ物を噛み切るときに犬歯以外の歯を使うことになり、そこに力がかかります。先ほども説明したように、「犬歯」はもともとその役割を担っているので、根っこが長く丈夫になっていますが、他の歯はそうではありません。ですから、この「犬歯」がしっかりガイドの役目を果たしていないと、そのほかの前歯や奥歯に大きなダメージを与えることになるのです。
たとえば、歯の位置が動いてしまったり、磨耗をしてしまったり、ひいては歯ぐきへも悪影響を与え、歯周病を引き起こします。もちろん無理な力がかかっているので、歯の寿命も短くなることは言うまでもありません。
また、しっかり噛むことができないため、食べる物も無意識に硬いものをさけ、やわらかいものばかりを好むようになっていきます。これは消化器官への影響はもちろん、しっかりかめないことによる精神的ストレスにもなります。また顎の筋肉が弱まることで頭蓋骨が傾き、結果として、首、肩、腰へとその影響がおよぶことにもなります。
「八重歯がかわいい」といわれることもあります。しかし「八重歯」とは「犬歯」が適性な場所に生えていない状態です。「八重歯」の方のほどんどは「犬歯」がその機能を果たしていません。
若い時は歯を支える歯槽骨がしっかりしているため本人も気がつかず生活をしていることが圧倒的に多いのですが、歯槽骨が弱くなる年齢(35~50)になると今まで「犬歯」の代わりをしていた歯が抜け落ちはじめ、歯列がデコボコになり今まで述べてきたようなさまざまな症状があらわれてきます。「八重歯はかわいい」などと言っていられる状況ではなくなってしまいます。
このように、「犬歯」が正常にその機能を果たさないことのリスクは計り知れません。早期接触、臼歯咬合付与とともに、「犬歯」の機能を正常にもどす「側方誘導付与」も噛み合わせ調整において非常に重要な工程の一つです。
まずは、自分の犬歯はきちんと上下の犬歯同士で接触するか確認してみてはいかがでしょうか?
当院で噛み合わせ治療を受けた患者様にお書きいただいた体験談をご紹介いた…
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