早期接触している部分を除去しても、前歯周辺だけしかかみ合わず、奥歯(臼歯)が浮いてしまうケースがあります。食べ物を噛み切るのは主に「犬歯」を初めとする前歯の役目ですが、その後、飲み込みやすくするためには奥歯ですりつぶす必要があります。
しかし、ここで奥歯がしっかりかみ合っていないと、無意識のうちに下あごに力をいれて、グッと噛みこもうとします。写真をご覧ください。
この写真では一見奥歯がかみ合っているように見えますが、これはあくまでも力を入れて噛みこんだ状態です。OBCを装着し適性な顎の位置でのかみ合わせをチェックすると以下の写真のようになります。
写真から、奥歯が浮いているのが分かると思います。つまり、日常では一見ちゃんと噛めているように思えても、実際には前歯が最初にかみ合い、さらにそこからグッとかみこんで、無理に奥歯をかみ合わせていることが伺えます。
※ 奥歯が噛み合わないケースはこちらを含め、主に4パターンあります。
私たちは安静状態でいる時、つまり全身の力を抜いてリラックスしている時は上下の歯は離れているのが一般的です。
この安静状態からゆっくり噛み合わせをしていった時、上の歯と下の歯が出来るだけ広い面積で同時に接触する、つまり出来るだけ沢山の歯同士が出来るだけ均一に接触することによって、噛み合わせが安定します。
もしどこか特定の場所だけが先に当たったり、強く当たったりすると、下あごがスムーズに動かなくなります。すると、無意識のうちにそこを避けたり、その接触箇所事態が物理的にも正しいあごの動きを阻害することになります。つまりは、早期接触によって「正常の動き」と異なった軌跡を描いて噛み込みを行うようになるのです。
また、おかしくなるのは顎の動きだけではありません。それにあわせて筋肉も変化し、これが顎ずれを起こしたり、またぶつからない場所を探して動きが一定化しないため、余計に噛み合わせが不安定になる要因となっていきます。このように、どこに早期接触があるか正確に把握しその除去をすることは、噛み合わせ治療を行っていく上で、最初に行わなければならない不可欠な処置です。ところが、実際にこの早期接触を正確に探し出すことは、実は簡単なことではありません。
当然これでは顎に不自然な力がかかります。そして、その負担は顎の関節部分(顎関節)に集中し、いわゆる「顎関節症」を引き起こす原因となります。
また、奥歯が浮いているといっても、ほぼすべてのケースで左右の浮き方が異なります。この状態で無理に噛みこもうとすれば、左右のバランスが崩れますから、左右の顎を支える筋肉がそれぞれ違う力をうけ、頭部の傾きに発展します。重さのある頭部が傾けば、当然、首、肩、腰にも影響が及び、精神的なストレスにも発展します。
また、奥歯がかみ合っていないことは、「酸欠」といった循環器系へも影響も及ぼします。奥歯が浮くとは、逆に言えば前歯部分が先に当たっていることを意味します。前歯が当たった状態から無理に奥歯をかみ合わせるには、下顎を必要以上に手前に引くしかありません。すると、「舌」も奥にひっこむようになり、肺への空気の通り道が必要以上に狭くなるのです。特に寝ている状態でこれが起こると「睡眠時無呼吸症候群」となり、睡眠不足などを引き起こし、日中の生活にも大きな影響を与えることになります。また、最近の研究では循環器系にも影響を及ぼすといわれています。
このように、奥歯のかみ合わせは、食べものを噛みくだくだけでなく、身体全体にも大きく影響します。先ほどの写真のように、一見かみ合っているように自分でも思えるため、自覚症状がない方もたくさんいらっしゃいます。OBCを装着することで簡単に発見することができるので、ぜひ皆さんもチェックしてみてください。
当院で噛み合わせ治療を受けた患者様にお書きいただいた体験談をご紹介いた…
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